2026年6月16日
米国株の5つのリスク|価格・信用・為替・流動性・カントリー
米国株への投資を検討しているとき、「リスクが怖くて踏み出せない」と感じる方は少なくありません。
しかし、リスクは「知らないから怖い」のであって、正しく理解すれば適切に向き合えるものです。金融商品取引法では、投資家に開示すべきリスクの種類が明確に定められています。この記事では、米国株投資に関わる5つのリスクを一つひとつ丁寧に解説します。
この記事のポイント
- 米国株のリスクは大きく「価格変動・信用・為替・流動性・カントリー」の5種類に整理できる
- 各リスクの仕組みを理解することで、自分に合った資産運用の判断ができるようになる
- リスクを正しく知ったうえで、分散投資などの対策を組み合わせることが重要
そもそも投資における「リスク」とは何か
投資の世界で「リスク」とは、単に「損をする可能性」だけを指すわけではありません。
金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(令和7年12月版)では、市場リスクを「有価証券等の価格、金利、為替等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産の価格が変動し損失を被るリスク」と定義しています。つまり、リスクとは「結果の不確かさ」そのものです。
利益が出る場合も、損失が出る場合も、その振れ幅全体がリスクです。米国株への投資では、この振れ幅が国内株式よりも広くなる要因が複数あります。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2026年3月27日に公表した「金融リテラシー調査(2025年)」(18〜79歳の個人3万人対象)によると、株式や投資信託、外貨預金などを購入したことがある人のうち約3割が「商品性を十分に理解せずに購入した」と回答しています。リスクを正しく理解してから投資を始めることが、長期的な資産運用の第一歩です。
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米国株の5つのリスク一覧
まず全体像を表で確認しましょう。
リスクの種類 | 一言で言うと | 米国株特有の要因 |
価格変動リスク | 株価が上下する | 値幅制限がない |
信用リスク | 企業が破綻する | 個別銘柄の業績悪化 |
為替変動リスク | 円高で目減りする | ドル建て取引 |
流動性リスク | 売りたいときに売れない | 時間外・マイナー銘柄 |
カントリーリスク | 政治・経済環境が変わる | 米国固有の規制・情勢 |
以下で、それぞれのリスクを詳しく見ていきます。
リスク1:価格変動リスク|株価は毎日動く
価格変動リスクとは
価格変動リスクとは、投資した金融商品の価格が変動し、売却時の受取金額が当初支払った投資金額を下回る可能性のことです。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「投資の時間」では、株式投資のリスクとして「換金時の受取金額が当初支払った金額を下回る可能性」を価格変動リスクとして明示しています(出典:J-FLEC「投資の時間」株式投資のリスクQ&A)。
株価は企業の業績、金利の変動、経済指標の発表、市場全体のセンチメントなど、さまざまな要因で動きます。
米国株における価格変動の特徴
日本証券業協会が公表する「外国株式信用取引の特徴やリスクとは?」(2022年5月27日公開)では、米国株式市場固有のリスクとして「値幅制限(ストップ高・ストップ安)がないため株価の極端な急騰や急落が発生する可能性」を明示しています。
国内株式には1日の値幅制限がありますが、米国株にはそれがありません。そのため、決算発表や重要なニュースをきっかけに、1日で大幅な価格変動が起きることがあります。
価格変動リスクへの向き合い方
短期の株価の動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが基本的な考え方のひとつです。また、ETFや投資信託を活用して複数の銘柄に分散投資することで、1つの銘柄の価格変動が全体に与える影響を抑えられます。
リスク2:信用リスク|企業の破綻リスクを理解する
信用リスクとは
信用リスクとは、投資した企業が経営破綻したり、債務を履行できなくなることで損失が生じるリスクです。
J-FLECの「投資の時間」では、信用リスクを「投資した会社が破たんする可能性」と説明しています(出典:J-FLEC「投資の時間」株式投資のリスクQ&A)。
また、金融商品取引業等に関する内閣府令(2025年5月1日施行版)では、信用リスクを「取引の相手方の契約不履行その他の理由により発生し得る損失の危険」と定義しています。
株式と債券における信用リスクの違い
株式投資における信用リスクは、企業が倒産した場合に株式の価値がゼロになる可能性を指します。債券投資では、債券の発行体が利息や元本の支払いが遅延したり債務不履行となるリスクが信用リスクにあたります。
株式は債券よりも弁済順位が低いため、企業が清算された場合、株主への分配は最後になります。元本が戻ってこない可能性も十分にあります。
信用リスクへの向き合い方
特定の企業1社に集中して投資するのではなく、複数の銘柄や業種に分散投資することが基本です。なお、Woodstockでは通常取引時間において約1,000銘柄の米国株・ETFを0.0001株単位・最低200円から取引できるため、少額からでも複数銘柄への分散をはじめやすい環境が整っています。
リスク3:為替変動リスク|円高で利益が目減りする
為替変動リスクとは
米国株はドル建てで取引されます。そのため、投資の損益は株価の変動だけでなく、為替相場の変動にも左右されます。
J-FLECの「投資の時間」用語集では、為替変動リスクを「外国の金融商品に投資した場合、換金時に為替レートの変動により生じる為替差損益が確実ではないこと」と定義しています。購入時より円高になると、円での手取り額が減り為替差損を被ると解説されています(出典:J-FLEC「投資の時間」用語集「為替変動リスク」)。
具体的なイメージ
たとえば、1ドル=150円のときに米国株を購入し、その後株価が変わらなくても、円高が進んで1ドル=130円になった場合、円換算での資産価値は目減りします。逆に円安が進めば、株価が変わらなくても円換算での評価額は増えます。
日本証券業協会の「外国株式信用取引の特徴やリスクとは?」(2022年5月27日公開)でも、「外国為替レートの変動により多額の損失を被るおそれ」として為替変動リスクが明示されています。
為替変動リスクへの向き合い方
為替相場の変動を完全に予測することは困難です。一度に大きな金額を投資するのではなく、定期的に一定額を投資する方法(ドル・コスト平均法的なアプローチ)を取ることで、為替変動の影響を平準化する考え方があります。
なお、Woodstockでは取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料のため、為替の影響を抑えながら少額の積み増しを繰り返す運用とも相性がよい設計になっています(手数料体系の詳細は算出根拠ページをご確認ください)。
リスク4:流動性リスク|売りたいときに売れないリスク
流動性リスクとは
流動性リスクとは、保有する金融商品を売却したいときに、希望する価格や数量で取引できないリスクです。
金融庁「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(令和7年12月版)では、流動性リスクを「市場の混乱等により市場において取引が出来なかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)」と定義しています。
米国株における流動性リスク
米国株の中でも、取引量が少ないマイナーな銘柄は流動性リスクが高くなりやすいです。売却したいタイミングで買い手が見つからず、希望より低い価格での売却を余儀なくされることがあります。
一方、S&P 500に採用されているような大型銘柄やETFは、一般的に取引量が多く流動性が高い傾向があります。
流動性リスクへの向き合い方
取引量が多い銘柄やETFを中心に投資することが、流動性リスクを抑える基本的な考え方です。Woodstockなら24時間取引が可能(システムメンテナンス時を除く)で、米国市場の通常取引時間外でも指値・インスタント注文に対応しているため、相場が動く時間帯に合わせて自分の都合で売買タイミングを検討できます。また、すぐに現金化が必要な資産を米国株だけに集中させないことも重要です。生活費や緊急時の現金は、流動性の高い形で別途確保しておきましょう。
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リスク5:カントリーリスク|米国固有の政治・経済環境の変化
カントリーリスクとは
カントリーリスクとは、投資先の国や地域の政治・経済環境の変化によって、価格変動などの損失が発生するリスクです。
J-FLECの「投資の時間」では、外国株式の場合に加わるリスクとして「発行体の所在する国・地域の政治・経済環境により価格変動等が発生する可能性」をカントリーリスクとして説明しています(出典:J-FLEC「投資の時間」株式投資のリスクQ&A)。
米国株におけるカントリーリスクの実態
米国は世界最大の経済大国であり、株式市場の規模も世界最大級です。しかし、政策変更、通商摩擦、地政学的な情勢の変化などは、米国株市場全体に影響を与えることがあります。
日本銀行「金融システムレポート(2026年4月号)」(2026年4月21日公表)では、「地政学的リスクや海外のハイテク関連株の調整リスク等が意識されるもとで、わが国の金融機関が相応の株式リスク量を有していることを踏まえると、株価などのリスク性資産価格の動向には留意が必要」と指摘されています。
カントリーリスクへの向き合い方
米国株への集中投資を避け、地域を分散させることがカントリーリスクへの基本的な対策です。米国ETFの中にも、世界各国の株式に分散投資できる商品があります。投資する国や地域の経済・政治情勢を定期的に確認する習慣も大切です。
5つのリスクをまとめて比較する
リスク | 定義の根拠 | 主な原因 | 基本的な対策 |
価格変動リスク | J-FLEC・内閣府令 | 企業業績・金利・市場心理 | 長期保有・分散投資 |
信用リスク | J-FLEC・内閣府令 | 企業の経営破綻・債務不履行 | 銘柄分散・ETF活用 |
為替変動リスク | J-FLEC・日証協 | 円高・円安の変動 | 積立・分散購入 |
流動性リスク | 金融庁監督指針 | 取引量不足・市場混乱 | 大型株・ETF中心 |
カントリーリスク | J-FLEC | 政治・経済・地政学情勢 | 地域分散 |
分散投資でリスクを管理する考え方
5つのリスクはそれぞれ独立して発生するわけではなく、複合的に影響し合うことがあります。
そのため、特定の1つのリスクだけを気にするのではなく、全体のバランスを意識した資産運用が重要です。分散投資は、「1つの銘柄・1つの国・1つの資産クラスに集中しない」という考え方で、複数のリスクを同時に管理する手段として広く知られています。
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査(2025年)」(2025年4月実施、有価証券保有者5,000名対象)によると、証券投資に関する教育で参考になった内容として「金融商品のリスクとリターンの関係」が31.7%と上位に挙がっています。リスクとリターンの関係を理解することが、投資の基礎として多くの投資家に重視されています。
ETFや投資信託を活用すれば、1つの金融商品で複数の銘柄や国に分散でき、個別株のリスクを抑えながら米国市場への投資が可能になります。Woodstockの取扱銘柄には主要な米国ETFも含まれているため、まずは取扱銘柄を眺めながら自分に合った分散の形を検討してみてください。
まとめ
米国株投資のリスクは、金融商品取引法や金融庁の監督指針、J-FLECの教育資料などで「価格変動・信用・為替・流動性・カントリー」の5種類として整理されています。
それぞれのリスクの仕組みを理解し、分散投資や長期保有などの基本的な考え方を組み合わせることが、資産運用の土台となります。リスクをゼロにすることはできませんが、正しく理解して向き合うことで、より納得感のある投資判断ができるようになります。
よくある質問
Q1. 米国株のリスクは国内株より高いですか?
米国株には国内株に加えて為替変動リスクとカントリーリスクが加わります。また、米国株式市場には値幅制限がないため、価格変動が大きくなる場合があります。ただし、リスクの高低は投資する銘柄や分散の程度によっても異なります。
Q2. ETFを使えばリスクを抑えられますか?
ETFは多くの銘柄に分散投資できるため、個別株の信用リスクや価格変動リスクを分散する効果が期待できます。ただし、為替変動リスクやカントリーリスク、流動性リスクはETFでも発生します。元本保証の金融商品ではありません。
Q3. 流動性リスクはどんな銘柄で高くなりますか?
取引量が少ないマイナーな銘柄や、時間外取引の対象外となっている銘柄では流動性リスクが高くなる傾向があります。取引量の多い大型株やETFは、一般的に流動性が高い傾向があります。
Q4. 為替変動リスクはどう管理すればよいですか?
一度に大きな金額を投資するのではなく、定期的に一定額を投資することで、為替相場の変動による影響を平準化する考え方があります。また、ドル建て資産と円建て資産を組み合わせることも選択肢のひとつです。
Q5. 投資信託と米国株ETFでリスクの種類は変わりますか?
基本的なリスクの種類は同じです。ただし、投資信託は取引価格が1日1回の基準価額で決まるのに対し、ETFは市場での売買価格で取引されるため、流動性リスクの性質が異なる場合があります。いずれも元本保証の商品ではありません。
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【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※株式投資は元本保証の商品ではなく、価格変動リスク、信用リスク、権利行使・契約解除の制限、為替リスク、流動性リスク、カントリーリスク等を主因として投資元本を割り込むことがあります。米国株式に関するリスクの詳細は、所属金融商品取引業者であるAlpacaJapan株式会社が交付する上場有価証券等書面・契約締結前交付書面を必ずご確認ください。
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