2026年6月17日
米国株の年代別パフォーマンス|80s/90s/00s/10s/20s
米国株式への長期投資を考えるとき、「過去にどれほどのリターンが得られたのか」は最初に知りたいデータのひとつです。
S&P 500の1928年から2024年までの97年間における年率平均複利リターン(配当込み)は約10.0〜10.3%(名目)とされています(出典:NYU Stern School of Business — Aswath Damodaran, 'Historical Returns on Stocks, Bonds and Bills: 1928-2024', 2026年1月更新)。しかし、この「平均」の裏には、年代ごとに大きく異なる相場の表情が隠れています。
本記事では、1980年代から2020年代まで、10年単位で米国株式市場のパフォーマンスを振り返ります。各年代の株価指数の推移と背景にある経済の動きを整理することで、長期投資の本質がより明確に見えてきます。
この記事のポイント
- S&P 500の年代別年率リターンは、好調な年代(+17〜18%)と低迷した年代(▲0.9%)で大きな違いがある
- 2000年代のように「失われた10年」が生じた背景には、ITバブル崩壊とリーマンショックという2つの大型ショックが重なっていた
- 過去データでは保有期間が長くなるほどプラスリターンの確率が高まり、20年以上保有した場合は全期間でプラスだった(出典:NYU Stern Damodaran データを基にした集計, PortfolioCalc.com, 2025年)
S&P 500とは|年代別比較の基準となる株価指数
米国株式市場の長期パフォーマンスを語るうえで、最も広く参照される株価指数がS&P 500です。
S&P 500は米国を代表する約500社の株式で構成される時価総額加重型の指数で、米国株式市場全体の動向を映す指標として世界中の投資家に使われています。個別銘柄ではなく市場全体の成長を追うことができるため、長期投資の基準となる指数として機能しています。
本記事では、このS&P 500(配当込み)の年代別年率リターンを軸に、各年代の経済的背景と合わせて解説します。
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1980年代|株式市場が復活した黄金の10年
1980年代のS&P 500の年率リターン(配当込み)は約+17.6%でした(出典:NYU Stern / Damodaran, 2026年1月更新)。
1970年代のスタグフレーション(高インフレと景気停滞の共存)から脱却したこの年代は、株式市場にとって力強い復活の時代でした。米国のポール・ボルカーFRB議長による強力な金融引き締めがインフレを抑制し、その後の金利低下が株価上昇を後押しします。
レーガン政権下での減税・規制緩和政策も企業収益の拡大に寄与しました。ただし、1987年10月のブラックマンデーではS&P500が約▲36%下落するという急落も経験しています(出典:大和アセットマネジメント, 2024年11月)。この暴落からの回復期間は約1年11カ月でした(同出典)。
それでも10年を通じた年率リターンは約+17.6%と高水準を維持しており、短期の下落が長期リターンを大きく損なわなかった事例として記録されています。
図:S&P 500の年代別リターンを、1980年代の株式市場復活、1990年代のITバブル、2000年代の失われた10年といった歴史的出来事とともに整理しています。短期的な暴落や停滞があっても、長期投資では市場に居続けることが重要。1990年代|ITバブルが生んだ史上最高の10年
1990年代のS&P 500の年率リターン(配当込み)は約+18.2%で、記録された年代別パフォーマンスの中で最も高い水準です(出典:NYU Stern / Damodaran, 2026年1月更新)。
この年代の株式市場を牽引したのは、インターネット関連企業の急成長です。テクノロジー銘柄を中心に株価指数は大幅に上昇し、ナスダック市場は特に際立った動きを見せました。情報通信技術の普及が企業の生産性向上をもたらし、経済成長が続いたことも株価の上昇を支えました。
一方で、1990年代末にかけて株式の評価が実態から乖離し始め、ITバブルの過熱が進んでいたことも事実です。この年代の高いリターンは、次の2000年代の反動と表裏一体でした。
2000年代|「失われた10年」と2つの大型ショック
2000年代(2000〜2009年)のS&P 500の年率リターン(配当込み)は約▲0.9%(実質▲3.4%)で、現代史上最悪の10年間とされています(出典:NYU Stern — Damodaran, 'Data Update 2 for 2026', 2026年1月)。
この10年間に2つの大型ショックが重なりました。
ITバブル崩壊(2000〜2002年)では株価指数が約▲49%下落し、回復に約7年4カ月を要しました。
リーマンショック(2007〜2009年)では株価指数が約▲58%下落し、回復に約5年6カ月かかりました(出典:大和アセットマネジメント, 2024年11月)。
この2つの暴落が10年の中に収まってしまったため、10年間を通じた累積リターンはマイナスになりました。2000年代は、長期投資においても「いつ始めるか」ではなく「どれだけ続けるか」が問われた年代です。こうした局面で投資を継続するうえでは、取引コストの積み上がりが長期リターンを押し下げる要因にもなり得ます。Woodstockでは米国株・ETFの取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料で、コスト面の摩擦を抑えて長期保有を続けやすい設計になっています(詳細は手数料ページをご確認ください)。
年代別パフォーマンス比較表|S&P 500(配当込み)
以下の表で、各年代の年率リターンと主な出来事を整理します。
年代 | 年率リターン(配当込み) | 主な出来事 |
1980年代 | 約+17.6% | ブラックマンデー(1987年、▲36%) |
1990年代 | 約+18.2% | ITバブル形成、ナスダック急騰 |
2000年代 | 約▲0.9% | ITバブル崩壊(▲49%)、リーマンショック(▲58%) |
2010年代 | 約+13.6% | 金融緩和・GAFA台頭 |
2020〜2025年 | 約+13.1% | コロナショック・急回復、AI相場 |
1928〜2025年(全期間平均) | 約+10.0% | 97年間の長期平均 |
出典:NYU Stern — Aswath Damodaran, 2026年1月更新
2010年代|金融緩和とテクノロジー企業が牽引した回復期
2010年代のS&P 500の年率リターン(配当込み)は約+13.6%でした(出典:NYU Stern / Damodaran, 2026年1月更新)。
リーマンショック後の経済立て直しを目的に、米国連邦準備制度理事会(FRB)は超低金利政策と量的緩和を長期にわたって維持しました。この金融環境が株式市場への資金流入を促し、株価指数の回復と上昇を支えました。
テクノロジー関連企業の台頭も大きな要因です。大手プラットフォーム企業を中心に、デジタル経済の成長が企業収益を押し上げました。2010年代は2000年代の「失われた10年」からの力強い回復を示した年代として記録されています。
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2020年代(2020〜2025年)|コロナショックからAI相場へ
2020〜2025年のS&P 500の年率リターン(配当込み)は約+13.1%でした(出典:NYU Stern / Damodaran, 2026年1月更新)。
この期間の年次データを確認すると、変動の大きさが際立ちます。
年 | S&P 500年次リターン(配当込み) |
2020年 | +18.02% |
2021年 | +28.47% |
2022年 | ▲18.04% |
2023年 | +26.06% |
2024年 | +24.88% |
2025年 | +17.72% |
出典:NYU Stern — Aswath Damodaran, 2026年1月更新
2020年のコロナショックでは株価指数が約▲35%下落しましたが、回復期間は約6カ月と過去の大型ショックと比べて短期間でした(出典:大和アセットマネジメント, 2024年11月)。
2022年は金利引き上げを背景に▲18.04%と下落しましたが、2023〜2025年は3年連続で高いリターンを記録しています。2023〜2025年の3年間累積リターンは+85.32%で、1990年代半ば以来最長の「3年連続で中央値超え」となりました(出典:NYU Stern — Damodaran, 'Data Update 2 for 2026', 2026年1月)。
2024年のリターン+24.88%は、1928年以来97年間の中で27番目に高い年となっています(同出典)。
保有期間が長くなるほどプラスの確率が高まる
年代別データを見ると、「どの10年を切り取るか」によってリターンが大きく異なることがわかります。では、保有期間を延ばすとどうなるのでしょうか。
過去データによると、S&P 500(配当込み)の保有期間別リターン実績は以下のとおりです(出典:NYU Stern Damodaran データを基にした集計, PortfolioCalc.com, 2025年)。
保有期間 | 最悪リターン | 最良リターン | プラスになった確率 |
1年 | ▲43.8% | +52.6% | 約74% |
10年 | ▲3.4% | +20.1% | 約95% |
20年 | +6.4% | +17.9% | 100% |
過去において、20年以上保有した場合は全期間でプラスリターンとなっています。2000年代のように10年間でマイナスとなる局面があっても、保有期間を20年に延ばすことで結果が大きく変わる可能性を示すデータです。
また、1990年1月末から2024年9月末の約35年間でS&P 500(配当込み)は35.6倍に成長し、年率換算で平均+15.6%の上昇となりました。同期間の日本のTOPIX(配当込み)は1.65倍(年率+2.1%)にとどまっており、米国株式の長期パフォーマンスの優位性が際立ちます(出典:大和アセットマネジメント, 2024年11月、データ基準日:2024年9月末)。
積立投資との組み合わせで見る長期運用の効果
長期の年率リターンは、積立投資と組み合わせることでその意味がより具体的になります。
野村アセットマネジメントのデータによると、S&P 500(配当込み・円換算)の過去20年間(2005年6月末〜2025年6月末)の累積騰落率は+898.8%です。同期間に毎月1万円を積み立てた場合、投資総額240万円が約1,416万円(約5.9倍)に成長したとされています(出典:野村アセットマネジメント, 2025年6月末時点)。
また、ニッセイ基礎研究所の2025年3月レポートは、2025年2月末までのデータを用いた20年間の積立投資シミュレーションにより、米国株式型(S&P 500・ナスダック100)および先進国株式型が長期的に高リターンをもたらす可能性が高いことを確認しています(出典:ニッセイ基礎研究所 熊紫云「長期投資の対象、何が良いのか」, 2025年3月18日)。
なお、Woodstockでは米国株・ETFを200円から0.0001株単位で購入できるため、毎月の少額積立から長期保有のシミュレーションを実際の取引でも試しやすい設計になっています。取扱銘柄は通常取引時間において約1,000銘柄で、S&P 500連動ETFをはじめとした主要な取扱銘柄を確認できます。
もちろん、過去のデータは将来のリターンを保証するものではありません。各年代のデータが示すように、投資には価格変動リスクが伴います。
年次リターンの分布|プラス年とマイナス年の比率
S&P 500の1928年から2024年までの97年間を振り返ると、プラスで終わった年は71年(約73%)、マイナスで終わった年は26年(約27%)です(出典:NYU Stern — Damodaran, 'Data Update 2 for 2025', 2025年1月)。
プラス年の平均リターンは約+20%、マイナス年の平均リターンは約▲13%でした(同出典)。
約4分の3の年でプラスリターンを記録している一方で、マイナス年には大きな下落が伴うこともあります。年代別の推移と合わせて、こうした年次データの分布を知ることが、長期投資の判断に役立ちます。
まとめ
S&P 500の年代別パフォーマンスを振り返ると、1980年代・1990年代の高成長、2000年代の「失われた10年」、2010年代以降の回復という大きな流れが見えてきます。
どの10年を切り取るかによってリターンは大きく異なりますが、97年間の年率平均は約10.0%(名目、配当込み)で推移しています。過去のデータでは、保有期間が20年以上になると全期間でプラスリターンとなっており、長期投資の意義を裏付ける数字として参照されています。
ただし、過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。各年代のデータはあくまで歴史的な事実であり、投資判断は最終的にご自身でお願いします。
よくある質問
Q. S&P 500の長期平均年率リターンは何%ですか?
A. 1928年から2024年までの97年間における年率平均複利リターン(配当込み)は約10.0〜10.3%(名目)です。インフレ調整後の実質リターンは約6.9%とされています(出典:NYU Stern — Aswath Damodaran, 2026年1月更新)。
Q. 2000年代のS&P 500がマイナスだった理由は何ですか?
A. ITバブル崩壊(2000〜2002年、約▲49%下落)とリーマンショック(2008年、約▲37%下落)という2つの大型ショックが10年間に重なったためです。この結果、2000〜2009年の年率リターンは約▲0.9%となりました(出典:NYU Stern — Damodaran, 2026年1月)。
Q. 米国株式と日本株式のパフォーマンスはどう違いますか?
A. 1990年1月末から2024年9月末の約35年間で、S&P 500(配当込み)は35.6倍(年率+15.6%)に成長した一方、日本のTOPIX(配当込み)は1.65倍(年率+2.1%)にとどまりました(出典:大和アセットマネジメント, 2024年11月)。ただし、過去の比較は将来の結果を保証するものではありません。
Q. S&P 500への投資でプラスになる確率はどれくらいですか?
A. 過去データによると、1年保有では約74%、10年保有では約95%、20年保有では100%の期間でプラスリターンとなっています(出典:PortfolioCalc.com, 2025年)。ただし、これは過去の実績であり、将来の結果を保証するものではありません。
Q. 2020年代の米国株式市場の特徴は何ですか?
A. コロナショック(2020年、▲35%)からの急速な回復(約6カ月)が特徴的です。その後、2022年に▲18.04%と下落しましたが、2023〜2025年は3年連続で高いリターンを記録し、2020〜2025年の年率リターンは約+13.1%となっています(出典:NYU Stern — Damodaran, 2026年1月更新)。
年代別のデータが示すように、米国株の長期パフォーマンスは「いつ買うか」よりも「どれだけ長く・低コストで持ち続けられるか」に大きく左右されます。Woodstockなら米国株・ETFを24時間取引でき、200円・0.0001株単位から長期保有のポジションを積み上げられます。取引・為替・残高・出金の4つの手数料はすべて無料で、口座開設のお申込みはアプリから最短1分です。
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