2026年9月1日
アマゾン(AMZN)株価と事業セグメント
アマゾン(Amazon.com, Inc. / ティッカー:AMZN)は、オンライン小売から始まり、クラウドコンピューティング・広告・物流まで事業を広げた米国を代表するテクノロジー企業です。
2026年8月現在、時価総額は約2兆8,000億ドル(約440兆円)に達しており、世界でも有数の株式として投資家の注目を集めています。本記事では、AMZNの株価推移と決算データをもとに、EC・AWS・広告の3つの収益セグメントから同社の財務構造を読み解きます。
この記事のポイント
- 2026年第2四半期の売上高は前年同期比20%増の2,006億ドル、営業利益は43%増の274億ドルと、本業の収益が大きく伸びた
- 売上はEC(北米+国際)が全体の約79%を占める一方、営業利益の約61%はAWSが稼ぐ「売上はEC、利益はクラウド」構造が鮮明
- 広告事業は2026年上期(1〜6月)だけで371億ドルに達し、第3の収益柱として急拡大している
アマゾン(AMZN)の株価と時価総額
2026年8月27日時点のAMZN株価(前日終値)は260.28ドルです。
指標 | 数値(2026年8月27日時点) |
|---|---|
株価(前日終値) | 260.28ドル |
時価総額 | 約2兆8,075億ドル(約440兆円) |
52週高値 | 278.20ドル |
52週安値 | 196.00ドル |
出典:日本経済新聞 日経会社情報DIGITAL(2026年8月27日)
52週のレンジは196.00ドルから278.20ドルと、値幅が約42%に及びます。米国株式市場全体のボラティリティ(価格変動の大きさ)を反映しつつ、決算や設備投資計画の発表が株価の節目になってきた銘柄です。
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2026年第2四半期決算:売上・営業利益ともに大きく伸びた
アマゾンは2026年7月30日に2026年第2四半期(4〜6月期)の決算を発表しました。
主な数字は以下のとおりです。
項目 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
純売上高 | 2,006億ドル | +20% |
営業利益 | 274億6,100万ドル | +43% |
営業利益率 | 13.7% | +2.3ポイント |
出典:Amazon.com, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日期、SEC.gov)、2026年7月30日
営業利益率13.7%は前年同期の11.4%から2.3ポイント上昇し、前四半期の水準もさらに上回りました。コスト管理の改善と高利益率セグメントの拡大が同時に進んでいることを示しています。なお、純利益は626億ドル(前年同期比245%増)ですが、この増加分の大半はAnthropic社への投資の評価替えなどによる営業外収益534億ドルによるものです。本業の収益力を確認する際は、営業利益274億ドルを基準に見る必要があります。
EC・AWS・広告:3セグメントの売上構成
アマゾンの事業は大きく3つのセグメントに分類できます。2026年第2四半期の売上構成を整理します。
セグメント | 売上高 | 全体比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
北米(EC中心) | 1,161億ドル | 58% | +16% |
国際(EC中心) | 421億ドル | 21% | +15% |
AWS(クラウド) | 422億ドル | 21% | +37% |
合計 | 2,006億ドル | 100% | +20% |
出典:Amazon.com, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日期、SEC.gov)、2026年7月30日決算発表
EC(北米+国際)を合計すると売上全体の約79%を占めます。一方、AWSの売上比率は21%に過ぎませんが、後述するように利益への貢献は全社の過半数を超えます。
AWSの前年同期比37%増は、前四半期の28%増からさらに加速しています。AI関連のクラウドサービス需要が拡大した結果とされています。
「売上はEC、利益はクラウド」という収益構造
アマゾンを理解するうえで最も重要な構造的特徴が、セグメント別の利益配分です。
2026年第2四半期の営業利益274億ドルのうち、AWSが166億ドルを稼いでいます。全体の約61%をAWSが占める計算です。
セグメント | 営業利益 | 全社営業利益比 |
|---|---|---|
AWS | 166億ドル | 約61% |
北米+国際(EC) | 108億ドル | 約39% |
合計 | 274億ドル | 100% |
出典:Amazon.com, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日期、SEC.gov)、2026年7月30日
ECセグメントは売上の約79%を占めながら、営業利益の寄与は約39%にとどまります。物流・倉庫・配送コストが大きいEC事業に対し、AWSはソフトウェアとデータセンターを基盤とするため利益率が構造的に高くなります。
この非対称な収益構造は2025年通期でも同様です。2025年通期のAWS営業利益は456億ドルで、全社営業利益の約57%を占めました(出典:Amazon.com, Inc. Form 10-K、2026年2月5日)。
広告事業:第3の収益柱として急成長
アマゾンの広告サービス(Advertising Services)は、EC・AWSに次ぐ第3の収益柱として存在感を高めています。
2026年第2四半期の広告売上は198億ドルで、前年同期比26%増でした。2026年上期(1〜6月)の累計は371億ドルに達しています(出典:Amazon.com, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日期)、2026年7月30日)。
広告事業の主な特徴は次のとおりです。
- 検索連動型広告:商品検索サイト上での出稿が主軸。購買意欲が高い顧客に直接リーチできる点が広告主にとっての価値
- ディスプレイ・動画広告:Prime Videoなどのメディアコンテンツを活用した広告在庫の拡大
- 高利益率:広告はAWSと同様にソフトウェア主体のサービスであり、EC物流と比べてコスト構造が軽い
広告事業は単独の財務データが公開されていないため営業利益率の直接比較はできませんが、アナリストの間では高マージン事業として分析されることが多いセグメントです。
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2025年通期と2026年の成長戦略
2025年通期の実績
2025年通期の売上高は7,169億ドルで、前年比12%増でした。年間として初めて7,000億ドルの大台を突破しています。AWS売上高は1,287億ドルで前年比20%増、通期の営業利益率は11.2%でした(2024年の10.8%から改善)。
出典:Amazon.com, Inc. Form 10-K(SEC.gov)、2026年2月5日
2026年の設備投資計画
アンディ・ジャシーCEOは2026年2月の決算説明会で、2026年の設備投資を約2,200億ドルと見込むと発表しました。これはアナリスト予想(約1,466億ドル)を大幅に上回る水準です。
投資の主な対象として挙げられているのは以下の領域です。
- AI・機械学習インフラ
- 自社設計半導体(Trainium / Inferentiaシリーズ)
- 物流ロボティクス
- 低軌道衛星(Amazon Leo)
出典:Amazon.com, Inc. 2025年Q4決算説明会(SEC.gov 8-K)、2026年2月5日
2026年上期(1〜6月)の設備投資(現金ベース)は984億ドル、直近12か月のフリーキャッシュフローはマイナス76億ドルとなりました(前年同期はプラス182億ドル)。大規模な設備投資は短期的にコストとキャッシュ流出を伴うため、今後の利益率とキャッシュフローに与える影響を投資家が注視しています(出典:Amazon.com, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日期)、2026年7月30日)。
第3四半期ガイダンス
2026年第3四半期(7〜9月期)の会社ガイダンスは以下のとおりです。
項目 | ガイダンス |
|---|---|
売上高 | 1,970億〜2,020億ドル(前年同期比+9〜12%) |
営業利益 | 225億〜265億ドル(2025年第3四半期実績は174億ドル) |
出典:Amazon.com, Inc. 2026年Q2決算説明会(SEC.gov 8-K)、2026年7月30日
会社側は、2025年・2026年ともにPrime Dayの影響を除いた場合、第3四半期の前年同期比成長率は約4ポイント高くなると説明しています。また、為替レートによる約0.8ポイントのマイナス影響を見込んでいます。
アマゾン株を投資判断の観点から整理する
AMZNは、EC・AWS・広告という異なる収益特性を持つ3事業が一体となった複合企業です。株式投資の観点からこの構造を整理すると、以下の点が分析の起点になります。
収益の多様性:3つのセグメントがそれぞれ異なる成長ドライバーを持つため、単一事業への依存度が低い構造です。
利益の集中:売上の21%を占めるAWSが営業利益の約61%を稼ぐ構造は、AWS事業の動向が全社利益に大きく影響することを意味します。AWSの成長鈍化や競合との競争激化は、株価に対してより大きなインパクトを持ちます。
設備投資の規模:2026年の設備投資計画約2,000億ドルは、将来の収益力を高める可能性がある一方、短期的なフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローから設備投資を差し引いた指標)を圧迫する要因です。
為替リスク:AMZNはドル建て株式です。日本円でリターンを計算する場合、株価の変動に加えて円ドル為替レートの変動が損益に影響します。
これらは投資判断のための情報整理であり、特定の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身でお願いします。
まとめ
アマゾン(AMZN)の事業構造を3セグメントで読み解くと、「売上はEC、利益はクラウド」という非対称な収益構造が浮かび上がります。
2026年第2四半期の売上高は前年同期比20%増の2,006億ドル、営業利益は43%増の274億ドルで、営業利益率は13.7%まで上昇しました。AWS・広告という高利益率セグメントの成長が全社の収益改善を牽引しています。
一方、約2,000億ドルという大規模な設備投資計画は、AI・クラウド・ロボティクスへの長期的な成長投資として位置づけられています。今後の決算での利益率推移や設備投資の進捗が、株価の重要な観察ポイントになるでしょう。
よくある質問
Q1. アマゾン(AMZN)の現在の株価はいくらですか?
2026年8月27日時点の前日終値は260.28ドルです。時価総額は約2兆8,075億ドル(約440兆円)です(出典:日本経済新聞 日経会社情報DIGITAL)。株価は市場の取引時間中に変動するため、最新情報は各証券会社や金融情報サイトでご確認ください。
Q2. AWSとはどのような事業ですか?
AWS(Amazon Web Services)はアマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービスです。企業や開発者向けにサーバー・ストレージ・データベース・AI処理基盤などをインターネット経由で提供しています。2026年第2四半期の売上は422億ドルで前年同期比37%増、同社の営業利益の約61%を稼ぐ高収益セグメントです。
Q3. アマゾンの広告事業はどのくらいの規模ですか?
2026年第2四半期の広告売上は198億ドルで前年同期比26%増です。2026年上期(1〜6月)の累計は371億ドルに達しており、EC・AWSに次ぐ第3の収益柱として急成長しています(出典:Amazon.com, Inc. Form 10-Q(2026年6月30日期)、2026年7月30日)。
Q4. アマゾン株(AMZN)に投資する際のリスクは何ですか?
主なリスクとして、株価の変動リスク(52週で約42%の値幅)、為替リスク(ドル建て資産のため円ドルレートの変動が損益に影響)、事業リスク(AWSへの利益集中、競合との競争、規制環境の変化)、設備投資拡大によるキャッシュフロー圧迫などが挙げられます。投資は元本保証がされておらず、損失が生じる可能性があります。
Q5. アマゾン株はどこで購入できますか?
AMZNは米国株式市場(NASDAQ)に上場しており、米国株の取引に対応した証券会社を通じて購入できます。証券会社によって手数料体系・取引時間・最低購入金額が異なるため、事前に各社の条件をご確認ください。
EC・AWS・広告の3セグメントで収益構造を把握したうえで米国株投資の環境を整えたい方には、Woodstockが選択肢の一つです。取引・為替・残高・出金の4つの手数料がすべて無料で、200円から米国株を取引できます。
【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
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・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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