2026年6月20日
米国株の100年の歩み|長期チャートで観察する
米国株の長期チャートを眺めると、そこには単なる数字の羅列ではなく、世界経済の歴史そのものが刻まれています。
戦争、恐慌、テクノロジー革命、金融危機。あらゆる試練を乗り越えながら、米国株式市場は長期にわたって上昇トレンドを描き続けてきました。この記事では、1900年代初頭から現在に至るまでの米国株の歩みを、NYダウとS&P 500という2つの代表的な株価指数を軸に俯瞰します。
この記事のポイント
- NYダウは1896年に12銘柄で誕生し、2026年5月に終値5万0285.66ドルの最高値を更新した
- S&P 500は1957年の正式ローンチ以来、配当込みトータルリターンで年率約10%のパフォーマンスを記録している(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)
- 恐慌・戦争・バブル崩壊を経ても株価は長期的に回復・上昇してきた。その歴史的事実が長期投資の根拠となっている
NYダウとは何か|130年の歴史を持つ代表的な株価指数
NYダウ(ニューヨーク・ダウ工業株30種平均)は、米国を代表する株価指数のひとつです。
1896年5月26日、当時の著名な金融ジャーナリスト、チャールズ・ダウによって12銘柄で算出が開始されました(出典:野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日)。その後、1928年に現在と同じ30銘柄構成へと拡大されています。
NYダウを構成する30銘柄は時代とともに入れ替わり、米国経済の中心にある企業群を反映してきました。かつてはUSスチールや鉄道会社が名を連ねていましたが、現在はアップルやマイクロソフトなど、テクノロジー企業が主力銘柄となっています。この構成銘柄の変遷自体が、米国経済の産業構造の変化を映す鏡といえます。
図:NYダウは、米国を代表する株価指数のひとつで、1896年にチャールズ・ダウが12銘柄で算出を開始し、1928年に現在と同じ30銘柄構成へ拡大されました。かつての主力銘柄から現在のアップルやマイクロソフトなどへの変遷を通じて、米国経済の産業構造の変化を反映している点を整理しています。日本初、すべての手数料がゼロ
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S&P 500とは何か|米国大型株500銘柄の株価指数
S&P 500は、1957年に正式ローンチされた米国を代表するもうひとつの株価指数です。
米国大型株の時価総額の約80%をカバーし、世界の株式時価総額の約50%を占めます(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。NYダウが30銘柄に絞った指数であるのに対し、S&P 500は500銘柄を対象としており、米国株式市場全体の動向をより広く捉えられる指数として、世界中の投資家に参照されています。
また、20年間の期間終了時点(2023年12月31日)で、米国大型株アクティブファンドの93%がS&P 500をアンダーパフォームしたというデータがあります(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。プロの運用者でさえ長期的にはこの指数を上回ることが難しいという事実は、S&P 500という指数の強さを示しています。
1900年代〜1950年代|世界恐慌と戦争を乗り越えた株式市場
1920年代の急騰と1929年の大暴落
1920年代、米国経済は「狂騒の20年代」と呼ばれる繁栄期を迎えました。NYダウは1920年代の10年間で+131.7%の上昇率を記録しています(出典:時事通信「バロンズ・ダイジェスト」、2021年)。
しかし、1929年9月にダウ平均はピーク(約381ドル)に達した後、世界恐慌の引き金となる株価大暴落が始まりました。ダウ平均はピークから約89%下落し、1929年の高値水準を回復したのは25年後の1954年11月のことです(出典:Reuters、2026年2月6日)。
この1929年の暴落と長期低迷は、株式投資のリスクを象徴する歴史的な出来事として、現在も語り継がれています。
1930年代〜1950年代の推移
1930年代はダウ平均が-39.5%と大きく落ち込みました(出典:時事通信「バロンズ・ダイジェスト」、2021年)。第二次世界大戦の影響を受けた1940年代は+33.2%と回復し、1950年代には+239.5%という大幅な上昇を記録しています(出典:同)。
戦後の経済復興と米国企業の成長が、株式市場を力強く押し上げた時期です。
1960年代〜1980年代|「株式の死」とその後の大復活
1966年〜1982年の長期停滞
1960年代、NYダウは+17.8%と比較的穏やかな上昇にとどまりました(出典:時事通信「バロンズ・ダイジェスト」、2021年)。そして1966年に1,000ドルを突破したダウ平均は、その後「株式の死」と呼ばれる約16年間の頭打ち状態に入ります。
1982年まで1,000ドル水準を明確に上回ることができず、インフレや石油危機、FRBによる金融引き締めなどが市場の重しとなりました(出典:野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日)。
この時期を振り返ると、株式市場が長期にわたって横ばいを続けることがあるという事実が浮かび上がります。投資においては、こうした停滞期を乗り越える忍耐力が求められることを、歴史は示しています。
1980年代〜1990年代の急上昇
1980年代に入ると状況は一変しました。FRBによる金融緩和政策の転換と企業業績の回復が追い風となり、NYダウは1980年代に+228.6%、1990年代には+317.6%という驚異的な上昇率を記録しています(出典:時事通信「バロンズ・ダイジェスト」、2021年)。
1990年代はITバブルの形成期でもあり、IBMやマイクロソフトなどのテクノロジー企業が市場をけん引しました。この時代の株式市場の成長は、米国経済の構造転換を象徴するものでした。
2000年代〜2010年代|ITバブル崩壊とリーマンショックを経た回復
2000年代の「失われた10年」
2000年代(2000〜2009年)は、NYダウにとって唯一のマイナスの10年となりました。10年間の騰落率は-9.3%です(出典:時事通信「バロンズ・ダイジェスト」、2021年)。
2000年のITバブル崩壊、2001年9月の同時多発テロ、そして2008年9月のリーマンショックと、この10年間は株式市場にとって試練の連続でした。特にリーマンショック後の金融危機は、世界の株式市場に深刻な打撃を与えました。
S&P 500という観点でも、2022年の-18.11%(出典:S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点)に匹敵する大幅な下落が、この時期に繰り返し発生しています。
2010年代の長期上昇トレンド
リーマンショック後、米国株式市場は力強い回復軌道を描きました。FRBの量的緩和政策が市場を下支えし、GAFAに代表するテクノロジー企業の急成長が株価を押し上げました。
NYダウは2017年に20,000ドルを突破し(出典:野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日)、2010年代を通じて右肩上がりのトレンドを維持しました。
2020年代|コロナショックから最高値更新へ
2020年のコロナショックと急回復
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の株式市場が急落しました。NYダウも短期間で大幅な下落を経験しましたが、その後は驚くべき速さで回復しています。
2020年11月にはNYダウが30,000ドルを突破し(出典:野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日)、コロナ禍という未曽有の危機を乗り越えて株式市場の底力を示しました。
2024年〜2026年の最高値更新
NYダウは2024年5月に40,000ドルを突破した後(出典:野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日)、さらに上昇を続けました。
2026年2月6日には史上初めて終値で5万ドルを突破し、5万0115ドルで取引を終えました(出典:日本経済新聞、2026年2月7日)。終値で初めて4万ドルを超えた2024年5月から、わずか約1年9ヶ月での達成です。
そして2026年5月21日、NYダウは約3ヶ月ぶりに最高値を更新し、終値5万0285.66ドルをつけています(出典:朝日新聞、2026年5月22日)。1896年に100ドル台で誕生したNYダウが、130年の歳月を経て5万ドルを超えた事実は、米国株式市場の長期的な成長力を象徴しています。
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S&P 500の長期パフォーマンス|年率10%という数字の意味
S&P 500は1957年の正式ローンチ以来、年率約7%の価格リターン(配当込みトータルリターンは年率約10%)を記録しています(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。
この数字が持つ意味を、具体的に確認してみましょう。
S&P 500の年別リターン(直近3年)
年 | トータルリターン(配当込み) | 出典・時点 |
2023年 | +26.29% | S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点 |
2024年 | +25.02% | S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点 |
2025年 | +17.88% | S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点 |
過去の期間別年率リターン
期間 | 年率トータルリターン | 出典・時点 |
過去3年(2023〜2025年) | +23.01% | S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点 |
過去5年(2021〜2025年) | +14.42% | S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点 |
過去10年(2016〜2025年) | +14.82% | S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点 |
直近3年・5年・10年のいずれを見ても、S&P 500は年率2桁台のリターンを記録しています。もちろん、過去のパフォーマンスが将来の成果を保証するものではありませんが、長期投資の文脈でS&P 500が参照される理由がこのデータから読み取れます。
こうした長期データを踏まえて米国株への参加を検討する場合、取引環境のコスト構造も重要な確認項目となります。Woodstockでは取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料で、米国株・ETFを0.0001株単位・最低200円から購入できます(手数料の詳細)。
弱気相場と回復|歴史が示す「下落後の長期トレンド」
S&P 500は1957年のローンチ以来、12回の弱気相場(ベアマーケット)を経験しています。ピークから底値までの平均下落率は約-33%、平均的な回復期間は約13ヶ月でした(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。
1929年の世界恐慌のような例外的な長期低迷もありましたが、それ以外の多くの弱気相場では、1年強という比較的短い期間で株価は回復軌道に戻っています。
局面 | 特徴 | 回復の背景 |
1929年世界恐慌 | 約89%下落、25年で回復 | 戦後経済復興 |
2000年ITバブル崩壊 | 2000年代の低迷 | 企業業績の正常化 |
2008年リーマンショック | 金融危機による急落 | FRBの量的緩和 |
2020年コロナショック | 急落後に急回復 | 財政・金融政策の総動員 |
2022年下落 | -18.11%(S&P 500) | 2023年以降に回復 |
歴史的に見ると、株式市場は下落と回復を繰り返しながら、長期的な上昇トレンドを形成してきました。ただし、個別の局面で回復にかかる期間や下落幅は大きく異なります。投資の最終的な判断はご自身でお願いいたします。
NYダウの主要な節目|ドルで見る株価の推移
NYダウが各節目の水準を突破した時期を整理すると、米国株式市場の成長スピードが時代とともに加速してきたことがわかります。
節目 | 突破時期 | 出典 |
1,000ドル | 1966年(ただし1982年まで定着せず) | 野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日 |
10,000ドル | 1999年 | 野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日 |
20,000ドル | 2017年 | 野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日 |
30,000ドル | 2020年11月 | 野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日 |
40,000ドル | 2024年5月 | 野村アセットマネジメント「Fin Wing」、2026年1月16日 |
50,000ドル | 2026年2月6日(終値) | 日本経済新聞、2026年2月7日 |
1,000ドルから10,000ドルまでに30年以上かかりましたが、10,000ドルから50,000ドルまでは約27年で達成しています。米国経済の成長と企業の利益拡大が、この加速を支えてきたといえます。
日本経済との比較|なぜ米国株が注目されるのか
日本経済と米国株式市場を比較すると、長期パフォーマンスの差が浮き彫りになります。
日本の株式市場は1989年に日経平均株価が約38,915円の最高値をつけた後、長期にわたる低迷期を経験しました。その後は回復が進み、2026年5月29日には終値で6万6329円と過去最高値を更新しています(出典:日本経済新聞、2026年5月29日)。一方、米国のNYダウは同じ期間にさらに大きく上昇しました。1989年末の終値約2,753ドル(出典:世界経済のネタ帳)から2026年5月の5万0285.66ドル(出典:朝日新聞、2026年5月22日)まで、約18倍の水準に達しています。これは同じ期間に約1.7倍となった日経平均と比べても大きく、両市場の長期的な上昇率の差がうかがえます。
この差を生み出した主な要因として、以下が挙げられます。
- 企業の株主還元意識の高さ:米国企業は自社株買いや増配を積極的に実施してきた
- 産業構造の転換力:IBMからアップル、マイクロソフト、GAFAへと、時代をリードする企業が継続的に生まれた
- 人口動態と経済成長:米国は先進国の中でも比較的高い人口成長率を維持してきた
- グローバルな資金流入:世界中の投資家が米国株式市場に資産を集中させてきた
日本経済の回復と日本株の動向も注目されていますが、過去30年の株価推移を見ると、米国株への長期投資が多くの投資家に選ばれてきた背景が理解できます。なお、米国株は東京時間の日中も含めて取引時間が日本株とは大きく異なるため、Woodstockのようにシステムメンテナンス時を除き24時間取引に対応している環境であれば、日本の生活リズムに合わせて取扱銘柄へアクセスする選択肢が広がります。
まとめ
米国株の100年の歩みを振り返ると、世界恐慌・戦争・ITバブル崩壊・サブプライム問題・リーマンショック・パンデミックと、数多くの試練があったことがわかります。
それでも、NYダウは1896年の誕生から2026年5月現在に至るまで長期的な上昇トレンドを維持し、S&P 500は1957年のローンチ以来、配当込みで年率約10%のトータルリターンを記録してきました(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。
過去のパフォーマンスが将来を保証するものではありません。しかし、長期チャートが示す米国株式市場の回復力と成長力は、米国株に関心を持つ投資家の方にとって、重要な参照点となるはずです。投資の判断はご自身の状況をよく確認した上でお願いいたします。
よくある質問
Q1. NYダウとS&P 500はどう違いますか?
NYダウは米国を代表する30銘柄で構成される株価指数です。S&P 500は500銘柄を対象とし、米国大型株の時価総額の約80%をカバーします(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。S&P 500のほうが市場全体の動向をより広く反映する指数とされています。
Q2. S&P 500の長期リターンはどのくらいですか?
S&P 500は1957年の正式ローンチ以来、年率約7%の価格リターン(配当込みトータルリターンは年率約10%)を記録しています(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。ただし、年によって大きく異なり、2022年は-18.11%の下落となった年もあります(出典:S&P Dow Jones Indices、2025年12月31日時点)。
Q3. 米国株は下落しても必ず回復しますか?
歴史的には、S&P 500は1957年以降に経験した12回の弱気相場で、平均約13ヶ月で回復してきました(出典:S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点)。ただし、1929年の世界恐慌では回復に25年を要した例もあります。過去の回復実績は将来を保証するものではなく、投資には元本割れのリスクがあります。
Q4. NYダウは現在いくらですか?
2026年5月21日時点で、NYダウは終値5万0285.66ドルの最高値をつけています(出典:朝日新聞、2026年5月22日)。1896年の誕生時から130年で、5万ドルを超える水準に達しました。
Q5. 米国株に投資するにはどうすればよいですか?
米国株への投資には、米国株取引に対応した証券口座が必要です。Woodstockでは、最短1分で口座開設のお申込みが可能で、200円から米国株・ETFの取引を始められます。口座開設の詳細はこちらをご確認ください。
100年単位の長期チャートが示すのは、市場の試練を抜けるまでに時間がかかるという事実でもあります。米国株の歴史を自分のペースで観察しながら積み上げたい方は、システムメンテナンス時を除き24時間取引に対応し、取引・為替・残高・出金の各手数料が無料、200円・0.0001株単位から始められるWoodstockで、米国株への第一歩を検討してみてください。
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