2025年1月9日
量子コンピュータ株下落 NVIDIA CEO発言受け

量子コンピュータ株下落 NVIDIA CEO発言受け
米半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが「有用な量子コンピューターの実用化には15年から30年かかる」との見方を示したことで、量子コンピューティング関連株が急落しました。しかし、カナダの量子コンピュータ企業Dウェーブ・クアンタム(D-Wave)のアラン・バラッツCEOは「ファン氏は全くの誤りだ」と強く反論しています。
本記事では米国投資アプリを運営するWoodstock経済部が、経済ニュースをわかりやすく解説していきます。
(本記事では現状を分析した上で筆者個人の見解を述べるに留まり、特定の株価を保証したり、特定の政治的思想を支持するものではありません。)
NVIDIAファンCEO「量子コンピュータの実用化は20年先」
半導体大手NVIDIAのファンCEOはアナリスト向けの会合で、量子コンピュータを商業的に使えるようになるまでには大幅な飛躍が必要だと指摘し、「もし15年先と言えば早い方で、30年なら遅いだろう。20年先と言えば、多くが納得するだろう」とコメントしました。
この発言を受け、DウェーブやイオンQ(IonQ)、リゲッティ・コンピューティング(Rigetti)などの量子関連企業の株価は30~40%以上も急落。合計で80億ドル相当の時価総額が失われる見通しです。

量子コンピューター開発で注目されるIonQの株価は過去1日で約39%下落(2025年1月9日13:58現在)
量子コンピュータ開発のD-WaveバラッツCEOは反発
これに対してDウェーブのバラッツCEOは、CNBCなどのメディアで「当社のシステムはすでに実際に企業のビジネスに活用されており、決して15年先や30年先の話ではない」と反論。マスターカードやNTTドコモなどがDウェーブの量子コンピュータを使って業務改善に取り組んでいる事例を挙げ、収益こそ小規模ながらも現時点で商用利用が進んでいることを強調しました。
バラッツCEOの主張によれば、ファンCEOの見立てはゲート型(gate-based)量子コンピューターには当てはまるかもしれない一方、Dウェーブが採用しているアニーリング型(annealing)量子コンピューターはすでに商業利用が可能だといいます。
NVIDIAも量子コンピュータ開発に着手
今回のような発言にもかかわらず、NVIDIAが量子コンピューティング分野を完全に否定しているわけではないことは、同社の採用活動からもうかがえます。実際、NVIDIAは現在「Quantum Algorithm Engineer」のポジションを募集しており、量子分野における化学や機械学習、エラー訂正などに精通した人材を求めています。
NVIDIAの量子コンピュータエンジニア募集ページ / NVIDIA公式サイトより引用
求人要項には「量子コンピュータに関するハイパフォーマンスコンピューティングやアルゴリズム開発、ソフトウェア開発の経験がある人材を歓迎する」といった内容が明記されており、量子技術の研究者やスタートアップとの連携を深める狙いがあるようです。
量子コンピュータは暗号解読や大規模シミュレーションなど、従来のコンピューターでは困難とされる計算課題を高速で処理できるポテンシャルを持つため、研究開発をめぐっては大手IT企業やスタートアップ、大学などが競い合っています。
昨年末にはグーグルが「100量子ビットのチップを開発した」と発表し、量子コンピューティング分野への関心が再び高まりました。一方で、「実用化のハードルはまだ高い」という見解も依然根強く、株式市場はこうした楽観と慎重論のはざまで揺れ動いています。
量子コンピュータ関連銘柄まとめ
また、量子コンピュータ関連の米国銘柄はこちらになります。woodstockアプリはSNSと株式投資を組み合わせたアプリです。画像をタップしてみんなの反応を見てましょう!
参考:
https://www.cnbc.com/2025/01/08/nvidia-ceo-jensen-huang-is-dead-wrong-about-quantum-d-wave-ceo.html
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MY7O62NUWFPC7POIOSD5YJNLEQ-2025-01-08/